中標津町の子どもはむし歯が多い?

中標津町保健センター 歯科衛生士 伊藤 亜未
 みなさん、このグラフ1は何を表していると思いますか?これは平成23年度の3歳児健診でむし歯のあった子の割合を都道府県別にランキングしたものです。全国と比べてみると中標津町はむし歯のある子が非常に多い地域ということがわかります。
どうして中標津町はむし歯のある子が多いのでしょうか。
 理由は、グラフ2のとおり甘い物をよく口にしている子が多いからと考えられます。
むし歯が出来るには「むし歯菌」と「砂糖」が必要です。むし歯菌は砂糖を分解してネバネバした物質をつくり、歯にこびりついて歯垢(しこう)になります。歯垢の中で増殖したむし歯菌は砂糖をエサに「酸」をつくり、その酸によって溶かされた歯をむし歯といいます。そのため、いくら頑張って歯みがき等でむし歯予防をしていても、砂糖のたくさん入った甘い物をよく口にしていると酸が出る回数が多いためむし歯になりやすいのです。そういうお子さんが中標津町にはとても多いのですが、ご家庭での状況はどうでしょうか。
 ここで「どうせ生えかわるから乳歯はむし歯になっても大丈夫」と思った方はいませんか。乳歯のむし歯がひどいと見た目が悪いだけでなく、乳歯の下にある永久歯が生える前にむし歯になったり、生えかわりが上手くいかず歯並びが悪くなったりしやすいと言われています。むし歯は自然に治る病気ではないので治療が必要ですが、小さい子のむし歯の治療はとてもかわいそうですし、嫌がるお子さんを歯医者さんに連れて行く親も大変です。むし歯になって良いことは1つもありません。さらに、小さい頃からむし歯が多かったり、甘い物の摂取が習慣化したりしていると、むし歯になりやすいお口の環境のまま大人になる場合も多くなります。
 将来きれいな歯が揃うためには、小さい頃からのむし歯予防が大切です。お子さん、お孫さんの笑顔を守るために、ご両親だけでなく、祖父母や周りの皆さんも気をつけてあげましょう。
むし歯予防について気になる点があれば、保健センターにご相談ください。
電話番号:0153-72―2733