子宮頸けいがん検診の細胞診報告様式改定のお知らせ

町立中標津病院 産婦人科医長 島野 敏司
 町民のみなさん、こんにちは。町立中標津病院産婦人科の島野です。今日は、皆さんが毎年うけている子宮頸がん検診の細胞診報告様式の変更についてご説明します(表参照)。この発表は、日本産婦人科医会が平成20年12月に行い、一般市民への説明を徐々に行うよう各医療施設に求めています。そこで、本日この紙面を借り、説明いたします。
 改定の理由は子宮頸がんの原因のほとんどが、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染により引き起こされることが判明し、医学的証拠を考慮した分類を作成する必要性がでてきたためです。
 ここで、HPVと子宮頸がんの関係について説明します。HPVは世界中どこにでも存在し、その種類は100種類以上あります。子宮頸がんに最も強く関与するのは16型と18型ですが、大きくは、high risk型(16、18、31、33、35、45、52、58)と、low risk 型に分かれます。感染は、性行為により子宮頸部に起こりますが、通常2~3ケ月で体内からクリアされ、約90%は2年以内に消失します。
 その意味で、過剰に恐れる必要はありません。特に20歳以下の思春期および若年女性では、その多くが消失します。しかし、12ケ月を超える感染が持続すると、子宮頸がんのリスクを増加させます。
 子宮頸がんの自然史は、子宮頸部扁平上皮にHPVが感染し、これが、持続すると異型性上皮(軽度、中等度、高度)を経て、上皮内がん、微小浸潤がん、浸潤がんの順に進行します。子宮頸がん検診は、上皮内がん以上のがんを検出するのはもちろんですが、将来がんに移行する可能性が高い異型性上皮の段階で発見するのがもっとも効果的です。何故なら、上皮内がん、高度異形成上皮の段階で治療すれば、ほぼ100%治癒するからです。
 普段、皆さんが受けている子宮頸がん検診では、この異型性上皮、上皮内がんを推察できますが、紛らわしい場合もあります(ASC-USなど表参照)。
 そこで、HPV感染の有無を調べ、経過観察にするか、精密検査に移行するか、一歩進んで手術するかの参考にします。当院では、表の陰性がほとんどですが、陰性以外の異常が出た場合、一度来院してもらい、必要な検査について説明します。結果が異常なしで、1年後の検診指示なら安心してください。