私たちの「魂のはなし」とは
「あってはならない戦争」「人は人に支えられている」「挨拶っていいもんだなあ」「私のことを考えてくれている両親」「自分さえよければそれでよいと思う大人」と、ステージの上から語りかける中学生に、私は子どもたちの無限の力といったものを感じました。
大人になる前、子どもは真っ直ぐに物事に立ち向かい、「がんばれ」という言葉に真剣に応えようとし、あふれんばかりに正義感を持っている。
原稿を手直しされ、そこをもっと力強く、など多くの指導を経てステージに立った中学生の、しかし原初に自分の中に抱えていることの表出は、やはり一人一人の中学生自身の生の声である。
大人になる前、子どもは真っ直ぐに物事に立ち向かい、「がんばれ」という言葉に真剣に応えようとし、あふれんばかりに正義感を持っている。
原稿を手直しされ、そこをもっと力強く、など多くの指導を経てステージに立った中学生の、しかし原初に自分の中に抱えていることの表出は、やはり一人一人の中学生自身の生の声である。
7月15日、中標津町総合文化会館で「少年の主張・根室地区大会」が行なわれました。表彰後の審査委員長の講評に「いろいろなことを思ったり考えたりしていても、それを人に伝えるのは大変難しいことです」という言葉がありましたが、私も、全くその通りだと思いました。言葉というものは表現の手段ですが、それを使いこなすのは難しいなあと、私は常々思っています。どういう言葉を選んだら、どんな語り口で話したら、どんな…どんな…と考えていると、迷いばかりがふくらんで、どうしていいのか分からなくなります。
結局、自分の思いを自分の言葉で素直に語るのがいいんだ、ということに落ち着きます。その人の思いや考え、そして行動と乖離しない表現こそが、聞く人に読む人に伝わっていくのではないでしょうか。
私たちは子どもに「嫌なことは嫌だと言いなさい」「間違っていることは間違っていると言いなさい」「何が正しく何が間違っているか考えなさい」「正しいと思うことは勇気をもって行ないなさい」と言い続けてきました。
しかし、大人である私たちは、真剣に『社会』や『人生』に向き合っているでしょうか。
「大事なこと」「正しいこと」「本質」「魂」を語り、そして「本音」を語っているでしょうか。「何を青臭いことを」と思われるかもしれません。「大人の社 会はそんなものじゃないよ」と言われるかもしれません。確かに、その通りの部分があることは私も認めます。でも、せめて「自分の考え」「思っていること」 「判断」を言葉として表現できる大人の社会を夢見てしまいます。
以前にも紹介しました吉野弘さんの作品に、次のような詩があります。
「burst 花ひらく」
事務は 少しの誤りも停滞もなく 塵もたまらず ひそやかに 進行しつづけた。
三十年。
永年勤続表彰式の席上。
雇主の長々しい讃辞を受けていた 従業員の中の一人が 蒼白な顔で 突然 叫んだ。
-諸君
魂のはなしをしましょう
魂のはなしを!
なんという長い間
ぼくらは 魂のはなしをしなかったんだろう-
同輩たちの困惑の足下に どっとばかり彼は倒れた。
つめたい汗をふいて。
発狂
花ひらく。
-又しても 同じ夢。
私たちは子どもに「嫌なことは嫌だと言いなさい」「間違っていることは間違っていると言いなさい」「何が正しく何が間違っているか考えなさい」「正しいと思うことは勇気をもって行ないなさい」と言い続けてきました。
しかし、大人である私たちは、真剣に『社会』や『人生』に向き合っているでしょうか。
「大事なこと」「正しいこと」「本質」「魂」を語り、そして「本音」を語っているでしょうか。「何を青臭いことを」と思われるかもしれません。「大人の社 会はそんなものじゃないよ」と言われるかもしれません。確かに、その通りの部分があることは私も認めます。でも、せめて「自分の考え」「思っていること」 「判断」を言葉として表現できる大人の社会を夢見てしまいます。
以前にも紹介しました吉野弘さんの作品に、次のような詩があります。
「burst 花ひらく」
事務は 少しの誤りも停滞もなく 塵もたまらず ひそやかに 進行しつづけた。
三十年。
永年勤続表彰式の席上。
雇主の長々しい讃辞を受けていた 従業員の中の一人が 蒼白な顔で 突然 叫んだ。
-諸君
魂のはなしをしましょう
魂のはなしを!
なんという長い間
ぼくらは 魂のはなしをしなかったんだろう-
同輩たちの困惑の足下に どっとばかり彼は倒れた。
つめたい汗をふいて。
発狂
花ひらく。
-又しても 同じ夢。
平成22年7月 教育長
小 谷 木 透
小 谷 木 透
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中標津町 電話番号:0153-73-3111FAX:0153-73-5333
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