其の64 2021年9月

 私は外国人地域おこし協力隊のルエンです。中標津町で生活をするのは9月でもう4か月になります。新しい出会いや新しいことばかりですが、毎日、平穏な生活を過ごすことができて、徐々に慣れてきています。就労体験に来た際の3月の中標津と、今、私が過ごしている夏の中標津は、全く違っていて、青と緑が広がっている壮大な景色に、とても感動しています。

 私が気に入っているのは、涼しい風の中で自然を楽しみながら自転車で走ることです。
中標津町では坂道を多く見ます。上り坂は自転車に乗っているとき、全力で漕がないと登れないぐらいです。その分下り坂は楽ができ、車輪が外れそうなくらいスピードが出ます。私の自転車は小さいので、車に乗っている人が自転車で坂道を登る私の姿を見たら、大変そうだと思うかもしれませんが、そのようなことはなく、自転車の気持ち良さを楽しんでいます。
 5月18日は春植樹に参加しました。仕事での初めての野外活動でした。
ベトナムでも毎年の春に植樹の活動が各団体で行われていて、私の学校でも校庭で先生と生徒が木や花などを植えていたことを思い出しました。

 今回参加する春の植樹はそれと同じで、役場の周りや町の道で花を植えるかと思っていましたが、現場に来てみたら予想とは全然違っていて、そこは花壇ではなく、草の太い根が厚く生えた広い土地でした。その土は硬く、力を入れながらスコップにジャンプしないと掘れないぐらいです。普段運動不足の私にとって、いっぱい運動ができたのでよかったです。みんな黙々と植樹していたので、予定の時間よりも早く終わりました。私も微力ながら協力できて嬉しかったです。
 ほかにも、初めてたくさんの大きな乳牛を見られた入牧の手伝いや、私にとって初めての登山となった、山開き前に行う試験登山の活動にも参加しました。初めてのことばかりですが体験できて良かったです。また、一緒にいる方と、中標津町のことやベトナムと日本のいろいろな違いなどを話しました。

 例えば、中標津町の野鳥観察センターでは町内に生息している野生動物の剥製を見られたり、触れたりしました。本物の動物みたいだと驚きました。
 ほかにも、スモモやグレープなど酸っぱい果物に果物専用の塩を付ける食べ方を、一緒に活動したメンバーに紹介しましたが、果物に塩をつける習慣は私しかおらず、日本はそのような食べ方はないので、微妙な味だとみんなは言いました。

 やはり国が違えば食文化だけじゃなく、違うところがたくさんあって、自分では当たり前だと思っていたことが違う国の人では当たり前ではなく、お互いの文化の違いに触れることは面白いなあと思っています。
 これからも、色々な活動に参加し、新しい出会い、文化の違いや面白さを届けられるようにしたいと思っています。
中標津町地域おこし協力隊 レ ティ ルエン