Nakashibetsu Municipal folk Museum

2004年4〜5月の学芸員日誌


5月31日
 サンショウウオの卵塊のあった場所の続報。
 やはり、自然のままのものは成長速度が遅いようだ。ほとんどが卵の中にいて、卵の外に出て元気に泳いでいたのは数匹だけ(自宅に持ち帰っていたものと比べると1週間は遅い)。
 また、残念ながら6個あった卵塊のうち、受精していたのは2・3のものだけのようだ。昨年も3つあった卵塊は全て受精していなかったようで、どれも孵らなかった。オスはここに卵があることを知らないのかも。
 それにしても、この場所は雪融け水がなくなると雨でも降らない限り新しい水が補給されない場所のため、水質が良いとはお世辞にもいえない場所であり、しかもその環境は年々悪くなっている。
 果たして来年はいくつの卵塊が見ることができるだろうか。

5月28日
 ホームページを全面改装。
 4月30日にも全面改装したばかりだが、いろいろ気に食わないところもあったので、思い切ってやってしまった。
 しばらくは大きく変えない予定(多分)。

5月27日
 先日、自宅の玄関前にフキの束が置いてあった。
 でも、誰が置いていったのかは全くわからないのだ。
 サンショウウオの恩返し・・・か?。

5月25日
 オオバナノエンレイソウ(この地方では「山ソバ」とか「雨降りボタン」ともいう)が最盛期。
 種が落ちてから5・6年、発芽してから10年程かかって花が咲くとのこと。
 オオウバユリも10年近くかけて花をつけるというし(しかも1度きり)、写真を撮るときには足元の確認が必要だ。
 なお、オオバナノエンレイソウの茎と葉には毒があるが、種は食べたり焼酎に漬けることもできるという。

西町の群生地

5月23日
 5月上旬にサンショウウオの卵を採取して自宅に持ち帰り孵化させている。
 本日、産卵後16日目(多分)にして、めでたく卵から出てきた。
 自然のものと、飼育しているものでは生育速度が違うと聞いたことがあるが、採取現場の卵はどうなっているのだろう。来週中に見に行ってみよう。
 自宅のものはある程度育ったら森林公園の近くの秘密の場所に放す予定である。

生まれたばかり

5月21日
 この時期しか見ることができない遠根別岳の「見返りギツネ」。
 振り返ったキツネが見えますか?。

 桜は散り始めたものの丸山公園ではニリンソウが満開。
 白く可憐な花をつけるが、おひたしなどにして食べてもおいしい山菜である。しかし、若いものはトリカブト似ているため間違えることもある、と本で読んだことがある。

遠根別岳の見返りギツネ

5月18日
 武佐方面各所、緑ヶ丘森林公園、丸山公園、根釧農試旧庁舎と1日中外勤の多い日であった。
 その合間に、6月に講義が予定されているしらかば学園用の資料集めをする。

5月17日
 緑ヶ丘森林公園へセセリチョウの仲間であるミヤマセセリを確認しに行った。
 このチョウは一年間でこの時期しか出現しないのだ。
 写真のとおり地味な色あいで、笹薮をかなりのスピードで飛ぶため見つけにくいこともあったが、この日はあまり時間がとれなかったため、3頭しか見ることができなかった。
 1頭のみ採集。

5月16日
 やっと中標津も桜が咲きはじめた。
 金曜日くらいから市街地のチシマザクラが咲き、エゾヤマザクラもぼちぼちというところ。
 先日、桜がみごとな武佐小中学校に様子を見に行ったら、桜はもう2〜3日だったが、コブシの花がほぼ満開。

 14日、緑ヶ丘森林公園でカタクリの花をはじめて見つける。
 思わず、何かの間違いかと思ってしまった。役場に帰って図鑑を見るとまさしくカタクリ。
 町内で植物を研究している粟野武夫さんに電話をしたら「やっぱりそうなんだ」とのこと。粟野さんも昨年違う場所でカタクリの花を見つけていたが、翌日行ったらすでに誰かに採られてしまった後だったので確信がもてなかったとのこと。
 しかし、少数とはいえ、お互いに違う場所でこの時期に確認しているし、その他の要因も併せて考えた結果、「『いきもの一覧』に入れてもいいだろう」と話しがまとまった。
 毎年色々な発見があるものである

カタクリの花

5月13日
 「中標津の野鳥を知ろう会」の2回目のため、早朝5時に集合する。
 気温は11℃。寒い・・・。
 そのせいか野鳥の数が少ない。そんな中で目立ったのがアオジ、コガラ、オオジシギ、センダイムシクイ、エゾムシクイ。
 それと、うれしいことにオオルリが見れた。
 計23種を確認。

5月12日
 ポン俣落川にある遺跡に行った。
 そこはいつもガケから遺物がこぼれ出ているところで、今回も土器2点、石器2点を採集した。
 その他には、種は不明だがカモ類の巣を見つけた。10個も卵を抱いていたので写真を撮らせてもらう。

カモ類の巣

 それと、カラスヘビ(黒化したシマヘビ)がいるのを知らないで、その上をまたいでしまった。
 後ろから来た人が「ドワーッ!」っと叫んだので気がついたが、日光浴中でボーッとしたヤツのようだ。1メートルを越える大きさなので、みんなで見てたら首をS字にし、シッポをガラガラヘビのように「シャー、シャー!」と鳴らして威嚇してきた。スマンスマンといいつつ撮影。

カラスヘビ

5月10日
 ヤナギの仲間であるヤマナラシの花を確認しに行った。今年はハズレ年のようで、花自体がとても少なく、また、雄花ばかりが目立つ。
 川沿い通り(役場前の道で、俵橋まで続く道)で雌花を確認したが、逆にそこには雄花がないのだった。
 先日のエゾサンショウウオの近くを通りかかったので様子をみに行ったら、もうひとつ卵塊が増えていた。ただ、エゾアカガエルの卵もドッチャリあった。

5月7日
 このエゾサンショウウオの成体の写真は、エゾアカガエルに抱きつかれてもがいていたところを助けた直後のもの。
 こころなしかお疲れ顔、
 というか迷惑そうな顔にも見える。
 エゾサンショウウオの恩返しは・・・多分ない。
※左の写真をクリックすると大きな写真で見ることができます。

絡まれてます左の卵の近くでエゾアカガエルに抱きつかれてもがいていたエゾサンショウウオの成体。

4月30日
 4月上旬からホームページの改訂版(今見ているコレね)をネットに乗せるべく、仕事の合間をみながらタグ打ちを続けてきた。その間いろいろあって、一時は「も〜、以前使っていた複数フレームのものでもいいや!」とあきらめかけていたのだが、なんとかここまでこぎつけることができた。
 何はともあれY.Hさん多謝!

4月×日
 中標津町里山に親しむ会と日本野鳥の会根室支部中標津グループに呼びかけ、「なかしべつの植物を知ろう会」と「なかしべつの野鳥を知ろう会」というのを始めた。
 幸いどちらも募集した人数が集まり、先日両会とも1回目が無事終了したところである。植物の方ではフキノトウやヤナギを観察し、野鳥の方では丸山公園で26種類の鳥を確認した。

4月×日
 今年は未曾有の大雪だったため雪解けが遅かった(特に北向きの斜面などは今でも雪が残っている)。そんなわけで毎年春におこなっている遺跡の調査に行くタイミングがなかなかつかめないうちに4月が終わってしまった。
 もうダニも出始めているとも聞いているし、いろんな意味で地味にあせっているのだ。


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