秋が深まると、木々は美しい紅葉(または黄葉)を見せてくれます。
紅葉は文字通り葉が紅く染まるものと、黄色くなるものがあります。黄色のものはカロチノイドという色素で、これは緑色の葉緑素より壊れにくいため、葉の緑色が薄くなると目立ち始めます。
一方紅色は葉緑素が壊れて黄味がかると、アントシアニンという紅い色素ができるためといわれています。
色づきは昼夜の寒暖差によって異なり、この差の大きい年は美しい紅葉が見られるようです。
春に芽吹く新緑や花のつぼみは、寒さの厳しい冬の間は「冬芽」という形で過ごします。
この芽は大変栄養を含み、冬のいきものにとっては貴重な食料にもなっています。
冬芽は成長点と呼ばれ、活発に細胞分裂して成長していく部分を、冬の寒さや乾燥からしっかりした皮で包み守っています。
冬芽と葉の落ちた痕である葉痕の中には、よく見ると動物の顔に似たものがあり、ルーペなどで観察するのも意外な樹木の楽しみ方です。
参考文献:平野隆久著「樹木ガイドブック」
(中標津町文化財保護審議委員 大野f)