この建物は、旧北海道農事試験場根室支場の附属施設として昭和3年11月10日に建てられたもので、北海道立根釧農業試験場旧庁舎(現伝成館)の南西側の試験場用地内に遺されている2棟の木造施設のうちの一つです。
構造は木造2階建、腰折れ小屋組構造で、南北両側の屋根面に2ケ所ずつ屋根窓がつけられています。
1階は北東側から庶務倉庫、種苗倉庫の2室で、「草根掛け」棚が設置されている2階は1室となっています。延床面積は158.66u(48.06坪)。
当時の北海道の建築界をリードしていた北海道庁土木部建築課の技術者集団の小品であり、また外観は北海道の酪農村の景観を特徴づける腰折れ屋根の産業施設であること。また本格的に根釧原野を開発するための試験研究強化機関として設置された本試験場関連施設のひとつとして、さらに北海道の主要産業であった農業関連施設として、地域はもとより北海道にとっても貴重な資産の一つといえます。