さらさらと流れる小川のせせらぎ。寒さがゆるみ柔らかな日差しの南斜面の雪の下から薄緑色のかわいい顔を除かせるフキノトウ。雪解けの季節の一コマである。
小さなつぼみのうちに摘み、茹でて水にさらし、テンプラや和え物にして食べる。独特の苦みが何ともいえず、きざんでサラダやみそ汁の具にも良いとのこと。
またこの春一番のりの味覚は、人間だけでなく冬眠明けのヒグマの大切な食料でもあるらしい。
一方のフキは、フキノトウの味は知らなくともこちらはほとんどの方が口にしたことがあるくらいポピュラーな山菜。
青くみずみずしい若ブキの煮物は最高に上品であるし、漬けて保存食としても重宝される。私は春に魚屋に並ぶマスを買い求めフキのアラ煮として食べるのが好きである。これに関してはある資料に、フキはカルシュウムを含んであるとも載っていたので、ではそれだけ食べても良いのではないかと感心させられてしまった。
実際にフキを採りに行ったとき根元の青いのと、少し赤みがかったのとがある。これは種類が違うといった説はあるが、さだかではなく味に差があるといったことはないようなので、水辺の水分の多いフキを採るように心掛けることのほうが大切である。
さて、何気なく見たり採ったりしているフキとフキノトウだが、どういう関係かご存じだろうか。両者とも同じ所に生えて来るし、名前も似ている。しかし、確証だったことは良く分からないというのが一般的ではないだろうか。
簡単に言うと、「フキ」の本体(根と茎)は地中にあり、フキノトウが「フキ」の花であり、雌花と雄花がある(正確には雌雄異株)。 また、私達が採っているフキが「フキ」の葉っぱにあたり、食べているのは葉の柄(葉柄)の部分である。私がこの事実を知ったときは「なーるほど」と謎が解けたような気がした。
ラワンブキは2メートルにも大ブキとして有名だが、昔はもっと大きいのがあったという話しがあり、どのくらい大きいかという逸話として、フキの切り株に馬が足を入れて骨折したというくらい大きかったという・・・。