Nakashibetsu Municipal folk Museum

中標津町在住の阿部嗣さんの野鳥コラム。

身近な鳥たち

カラの仲間

中標津町には他の町にひけをとらない立派な『緑ケ丘森林公園』がありますが、この公園の中で一年中生活している野鳥達が何種類かいます。その代表格は「カラ」の仲間、アカゲラ、コアカゲラ、コゲラ等のキツツキの仲間、そしてエゾフクロウなどがあげられますが、こうして1年を通じて見られる鳥たちのことを留鳥(りゅうちょう)と呼びます。

森林公園では、「カラ」の仲間としては『シジュウカラ』、『ヒガラ』、『ハシブトガラ』、『コガラ』の4種類と「カラ」類と親せきのように近い種類の『エナガ』、『ゴジュウカラ』の2種類の合わせて6種類を見ることができます。

『シジュウカラ』はスズメ位の大きさで、背中は青緑色、おなかは灰色、ホホが白で、胸からおなかにかけてネクタイのような黒い帯があります。オスはこの幅が広く「ツーピーツーピー」とさえずります。

シジュウカラ

『ヒガラ』は『シジュウカラ』より2回り程小さく、ホホは白いのですがネクタイはなく、頭の後ろが白いのが特徴で、「ツッピンツッピン」とさえずります。

ヒガラ

『ハシブトガラ』と『コガラ』は『シジュウカラ』と『ヒガラ』の中間位の大きさで、さえずりまで似ているため野外で見分けるのは大変むずかしく、バードウォッチャー泣かせの鳥です。ただ、どちらも黒のベレー帽をかぶっているように見えるので、他の種類とは見分けがつきます。

ハシブトガラ

また、『コガラ』は北海道を含め日本全国で見られますが『ハシブトガラ』は北海道にしか住んでいないので、本州方面の鳥好きの人達は、北海道までわざわざ観察に来たりします。

『エナガ』は本州に住んでいるのとは頭や顔の色が違い、特に北海道に住んでいるものを『シマエナガ』と呼びます。尾が長いのでこの名前がつきました。

『ゴジュウカラ』は、数いる鳥の中で もこれだけが樹木に逆さにとまることの できる鳥で、見ていてあきない行動をします。この『ゴジュウカラ』は腰がチョコレート色なので、この地方では昔から『ケツクサレ』などという不名誉なニックネームをつけられたかわいそうな鳥です。

これら『カラ』の仲間達は留鳥と紹介しましたが、最近になって秋から冬にはかなりの距離を移動することが、バンディングの結果からわかってきました。

また、きびしい北国の冬を越す知恵でしょうか、『カラ』の仲間や『キツツキ』の仲間が、種類の混じり合った集団をつくり、群れをなして飛んでいる姿が、冬の森林公園で観察することができます。

春や秋は木の葉が少ないので、これらの鳥を簡単に観察することができます。季節を見はからって家族や友達と緑ヶ丘森林公園へ出かけてみてはどうでしょうか。


※バンディングとは?

環境庁が山階鳥類研究所に委託しておこなっている事業で、野鳥をとらえてその足に番号の入ったリングをつけて放し、その移動や寿命、生態などを研究するために国際的におこなわれている方法で、日本では約 300人の専門家がおこなっています。


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