其の17 2016年2月

 12月上旬に北海道観光振興機構が主催する「北海道教育旅行誘致キャラバン」に参加してきました。説明会・商談会に出席された旅行会社と学校に対し、北海道の各市町村や観光協会が自分たちの地域をPRして、「北海道に修学旅行生を呼ぼう!」というものです。今回は大阪、横浜、東京の3都市を周り開陽台からの景色、ソーセージ、チーズ作り体験、ロングトレイル、満点の星空、搾乳体験など中標津町に移住してからまだ数か月しか経っていませんが、私なりに体験して素直に感じたことをお話ししてきました。当然、中標津町だけではなく近隣市町村の情報も必要となるため、標津町・別海町・羅臼町・根室市の一市四町が1つのチームになって根室地域をPRしてきました。
 説明会の中で北方領土元島民の講話を聞く機会がありましたが、私は教科書の知識しかなく、その当時の状況や想いなど初めて知る内容に、話の中へ吸い込まれるように聞き入ってしまいました。実際に初めて中標津町へ来た際に開陽台からも国後島が見えることにとても驚きましたし、根室市の納沙布岬から歯舞群島までわずか3.7キロしかないことにも驚きました。この地域は唯一、北方領土を間近に感じることのできる地域なので、たくさんの修学旅行生に来てもらい、実際に目で見てこの近さを感じ取ってもらいたいと思います。私は道東エリアをPRする側でしたが、今回のお仕事で根室地域の情報をたくさん知り、逆にとても勉強になりました。
 このお仕事がきっかけで北方領土のことをもっと詳しく知りたいと思い、先日、根室市の北方四島交流センターへ見学に行ってきました。まず先に返還署名をしてから館内を見学しました。
 資料館には歴史や写真、当時の世界地図、日露の各国文化ルームなどが展示されていました。また、北方四島に居住するロシア人との交流の促進を図る拠点施設としても機能しており、ビザなし交流の際に日本文化を直に触れてもらうことも可能です。
 根室市内を車で走っていると、道路看板に日本語、ローマ字の他にロシア語の表記があったことにも驚きました。初めて見る光景に改めて北方領土の近さを実感させられました。
 このコラムが皆さんの元へ届くのはちょうど2月7日の「北方領土の日」あたりでしょうか。
 この北方領土問題が一日でも早く解決されることを願っています。
中標津町地域おこし協力隊 小池 瞳(こいけ ひとみ)
(役場経済振興課内)