其の37 2018年11月

 7月に中標津町民となって早くも4か月が経ちました。北海道の早い秋の訪れに驚くと共に、美しく変化していく自然の色合いに目を奪われることが多くなっている毎日です。
 9月半ばに北根室ランチウェイの第2ステージ9.9km初めて歩きました。広大な牧草地帯の風景、草を食む牛たち、足元の草花を楽しむことができる素晴らしいトレイルで、近いうちに全ステージを歩き、山や草花の名前を覚えて、ランチウェイを知らない方やこれから歩こうという方々に魅力を伝えられるようになりたいと思っています。そのランチウェイで、9月28、29日に第1~6ステージの全ステージを二日間で走るロングトレイルランが開催され、前日の27日から29日までの3日間、エイド(水分や食べ物の補給をするところ)係としてお手伝いさせていただきました。
 開催当日の早朝5時、スタート地点の佐伯農場さんではすでに焼き立てパンが準備され、暗いうちから頑張っているスタッフの方々の意気込みが良い香りとともにキッチンやパントリーに充満していました。道外道内各地からいらっしゃった参加者33名の方々は、前日のジンギスカンBBQで顔なじみになっていて和気あいあいです。準備体操をして6時にスタート!みなさんを見送ってから、エイド係はエイドカーに乗って休憩地点へ先回りします。
 最初の休憩場所は養老牛温泉。汗をきらめかせながらランナーが次々と到着し、出迎えるスタッフとハイタッチしてエイドカーへ集まってきます。充実した美味しい飲み物と食べ物の数々に喜ぶ声が聞かれ、中には「このエイドが楽しみなの」とおっしゃる方も。約半数の方がリピートで参加されているそうです。
 70km上の距離を、しかも未舗装の道や山があるランチウェイを走るなんて、どんなすごいランナーたちなのだろうと思っていましたが、途中、ワープ(車での移動)が可能で、体調や走力と相談しつつ自分でどれだけ走るか決められるという、上級者ランナーだけではなく、初心者ランナーの方にも参加しやすいトレイルランでした。
 2日目も早朝5時から走り出し、お昼前に佐伯農場さんで最終ゴール。ランナー全員がゴール手前で勢ぞろいしてからの最終ゴールは感動的でとてもあたたかい気持ちになりました。
 北根室ランチウェイはいろいろな方々の努力やボランティア精神で出来上がっているトレイルと伺っています。一ファンとして、このトレイルがずっと中標津の大地に笑顔ととともにあり続けることを願って、その素晴らしさを色々な方に伝え、支えていきたいと思います。
中標津町地域おこし協力隊 前野 咲子(まえの さきこ)