不惑にもなれないまま60歳になってしまいました
昨秋、ある学校の学芸会のプログラムに『AKB48』という文字を見つけ、近くにいた人に、「これは曲名ですか?」と聞いてしまいました。その後は、もちろん『AKB48』がアイドル少女グループの名称ということは理解して生活してきたつもりです。つい最近、NHKのニュースを見ていると『総選挙』という文字が画面に現れ、いよいよかと思ったのですが、よく見ると『選抜総選挙』、何と文字の背景に映っているのは紛れもなく『AKB48』でした。合点のいかないままニュースを見ていると、グループの中でのシングル曲を歌うメンバーを選ぶ投票が『総選挙』ということが分かりました。しかし、福岡や名古屋のグループも関係しているらしい。何が何だか?年を取ってしまったせいなのか、それとも、私が世の中に付いていけない生活をしているのか……
そのニュースの最後で評論家が現れ、これは一千億円の経済効果があると説明していました。
私の若い頃も、アイドルの可愛い女の子もたくさんテレビに出ていましたし、グループサウンズ・フォークソング華やかりし頃でしたから、現在の状況に何のかのと言うつもりはありません。ただ、かつては若者だけの現象だったはずで、少し違っているなと思います。ビートルズ人気の頃、エレキギターは不良のするもの、男が髪を長くするのはとんでもない、と大人は言っていました。ところが、『AKB48』に対しては、大人も相当夢中になっているようです。
ある小説を読んでいたら、登場人物のおじいさんの次のような言葉に目が留まりました。
「子どもを大切にするというのは、猫や犬みたいに可愛がることじゃあるまい。未来を大切にすることだよ。だから、いたずらに子ども扱いしてはいけないんだ。このごろでは、親たちが子どもと猫の区別がつかなくなったね。おかげで、生意気な子やおませな子がいなくなった。若者たちまでがみんな子どものように幼い」
子どものように幼い若者。若者のように迷ってばかりいる大人。色恋で殺人までしてしまう老人。何が何だか?
現代社会は人が成熟しにくいと言われます。長寿社会のせいなのか、はたまた豊か過ぎる社会のせいなのか。私も60歳の自分を振り返り、こんなことでいいのだろうかと思ってしまいます。平均寿命が80歳、人生80年だとすると、私の人生は残り20年です。これからの20年で、私は成熟して死んでいけるのだろうかと、ふと考えてしまいます。ただ、今までの60年と同じように同じような毎日の繰り返しの中で、年月が過ぎ、季節が巡っていくのではないかとも、思ってしまいます。
先ほどの小説には、さらに次のような文章がありました。
「今の豊かな世の中は、必要以上に子どもを子どもあつかいしている。人間の精神年齢が昔に比べてずっと幼いのは、つまり社会全体が子どもに対して過保護だからだろう」
「社会から過分の保護をされていなかった昔の子どもらは、自由でたくましかった。もし、現代の社会が子どもに対して過保護であり、その結果として人間の精神的成長がさまたげられているのだとしたら、子どもを子どもあつかいせぬ昔の世の中の方が健全だったということになる」
いかがでしょうか。何か言い足りないことの多い文章になってしまいました。
そのニュースの最後で評論家が現れ、これは一千億円の経済効果があると説明していました。
私の若い頃も、アイドルの可愛い女の子もたくさんテレビに出ていましたし、グループサウンズ・フォークソング華やかりし頃でしたから、現在の状況に何のかのと言うつもりはありません。ただ、かつては若者だけの現象だったはずで、少し違っているなと思います。ビートルズ人気の頃、エレキギターは不良のするもの、男が髪を長くするのはとんでもない、と大人は言っていました。ところが、『AKB48』に対しては、大人も相当夢中になっているようです。
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ある小説を読んでいたら、登場人物のおじいさんの次のような言葉に目が留まりました。
「子どもを大切にするというのは、猫や犬みたいに可愛がることじゃあるまい。未来を大切にすることだよ。だから、いたずらに子ども扱いしてはいけないんだ。このごろでは、親たちが子どもと猫の区別がつかなくなったね。おかげで、生意気な子やおませな子がいなくなった。若者たちまでがみんな子どものように幼い」
子どものように幼い若者。若者のように迷ってばかりいる大人。色恋で殺人までしてしまう老人。何が何だか?
現代社会は人が成熟しにくいと言われます。長寿社会のせいなのか、はたまた豊か過ぎる社会のせいなのか。私も60歳の自分を振り返り、こんなことでいいのだろうかと思ってしまいます。平均寿命が80歳、人生80年だとすると、私の人生は残り20年です。これからの20年で、私は成熟して死んでいけるのだろうかと、ふと考えてしまいます。ただ、今までの60年と同じように同じような毎日の繰り返しの中で、年月が過ぎ、季節が巡っていくのではないかとも、思ってしまいます。
先ほどの小説には、さらに次のような文章がありました。
「今の豊かな世の中は、必要以上に子どもを子どもあつかいしている。人間の精神年齢が昔に比べてずっと幼いのは、つまり社会全体が子どもに対して過保護だからだろう」
「社会から過分の保護をされていなかった昔の子どもらは、自由でたくましかった。もし、現代の社会が子どもに対して過保護であり、その結果として人間の精神的成長がさまたげられているのだとしたら、子どもを子どもあつかいせぬ昔の世の中の方が健全だったということになる」
いかがでしょうか。何か言い足りないことの多い文章になってしまいました。
平成24年6月 教育長
小 谷 木 透
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中標津町 電話番号:0153-73-3111FAX:0153-73-5333
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