暴風雪の多い冬です
私は落語を聞くのがけっこう好きで、昔は寄席に出かけたこともあったのですが、その後好きな落語家のCDを買って聞いたりもしたのですが、最近はとんと聞いてはいません。
落語の噺を作りたいと思ったこともあったのですが、なかなか難しいものです。噺が始まる前のきっかけとなる小噺を「まくら」というのですが、それならば書けるのではと思い、書いたのがこれなのですが……
みなさんは、家の掃除・部屋の掃除をどのようにしているのでしょうか。
実は、うちの女房なんですが、真冬でも、家の窓という窓を全部開け放って掃除します。私の暮らしている北海道の東の地方といったら、真冬にはマイナス二十数度の日が何日も続くんですが、それでも全開です。
まあ、本人も寒いのは人一倍にがてときているもんですから、たっぷりと着込んで、鼻と口から、こう白い息を吐きながら、鼻水をズルズルてな具合なんです。
そこで、あるとき、「こんなに寒いのに、どうして窓を全部開けなければならないんだ?俺には理解できない」と、大上段から訊いてみたんですが、「一か所開けたくらいじゃ、舞い上がった埃が全部出るまでに日が暮れてしまうじゃないの」という答えが返ってきたもんで、「日が暮れるかねえ」とつぶやきながら、何か言い返す言葉はないものかと脳みそに手を突っ込んで考えてみました。まあ、何だかんだいっても、言い合いになると男というものは理屈負けしてしまうもんです。
考えた末、「でもね、そんなにたくさんの窓が開いていたら、こっちの窓から一度出た埃があっちの窓から戻って来やしないかな。何より、もともと外にあった埃がたくさん入って来るじゃないか」と、持ち合わせの理屈を総動員し、事実の検証がないままにブツブツ言ったんですがね、間髪入れずに女房が言ったもんです。
「あなたは相変わらずバカね」ここまではいいんです。私も、自分で馬鹿なことを言ったかなと思っていましたから。
ところが、次に、「この前の夫婦げんかのとき、あなた、出て行ったきり三日も帰ってこなかったじゃない。あの時も、私は毎日窓を開けて掃除をしていたのよ。その間に、他所の亭主がうちに入ってきたとでも思っているの」と言われ、「あたしゃ、埃と同じかい」と思ったんですけど、そうじゃないとも言えないし、私はあの時、窓から出て行ったかなと考えているうちに、女房は、もう隣の部屋の掃除に向かっていたという訳です。
近年、気候も荒くなってきたような気がするのですが、人間もそうなのかなと思ってしまいます。「イスラム国」の問題は当然ですが、若い女性が「人を殺してみたかった」と殺人を実行してしまうのです。
私見ですが、「イスラム国」の問題の根っこは「貧困」と「格差」の蔓延化とその恒常化による「不平・不満」の蓄積と爆発にあるのではないでしょうか。ある予測によると、全人口の1%の人たちが富の50%を持つという時代が来るそうです。そんな社会では「不平・不満」が爆発するのも無理はないでしょう。
また、この問題には「イスラエルの建国」が大きく関わっているのではないでしょうか。第二次世界大戦の後、ユダヤ人がパレスチナの地に「イスラエル」を建国したことにより、何度かの中東戦争を経て現在に至っているわけですが、もともとパレスチナの地で生活していた人たちが追い出された形になり、ここでも「不平・不満」が蓄積され続けています。そして、戦争に勝ち続けた「イスラエル」は領土の拡大をし、新しい土地にどんどん入植しているそうです。「イスラエル」に取られた土地を取り戻そうと戦う人たちもいます。憎悪が憎悪を呼んでいます。
もちろん、このような大きく複雑な問題の解答を私が持ち合わせているわけではありません。ただ、夫婦喧嘩でもそうですが、お互いが少しずつ譲り合う以外に仲良くなる方法はないのではないでしょうか。自分の間違いに気づく「謙虚さ」と多少理不尽かなと思える相手の論理を受け入れる「寛容さ」が必要です。自分だけが正しいと主張し合っているうちは喧嘩し続けなければなりません。
「人を殺してみたかった」という問題については、より教育の関わる分野ですが、これについても、私は解答を持ち合わせておりません。
私が解答を出せるのは夫婦喧嘩の問題程度です。それも、50%以上を妻の力に頼りながらなんですが……
落語の噺を作りたいと思ったこともあったのですが、なかなか難しいものです。噺が始まる前のきっかけとなる小噺を「まくら」というのですが、それならば書けるのではと思い、書いたのがこれなのですが……
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みなさんは、家の掃除・部屋の掃除をどのようにしているのでしょうか。
実は、うちの女房なんですが、真冬でも、家の窓という窓を全部開け放って掃除します。私の暮らしている北海道の東の地方といったら、真冬にはマイナス二十数度の日が何日も続くんですが、それでも全開です。
まあ、本人も寒いのは人一倍にがてときているもんですから、たっぷりと着込んで、鼻と口から、こう白い息を吐きながら、鼻水をズルズルてな具合なんです。
そこで、あるとき、「こんなに寒いのに、どうして窓を全部開けなければならないんだ?俺には理解できない」と、大上段から訊いてみたんですが、「一か所開けたくらいじゃ、舞い上がった埃が全部出るまでに日が暮れてしまうじゃないの」という答えが返ってきたもんで、「日が暮れるかねえ」とつぶやきながら、何か言い返す言葉はないものかと脳みそに手を突っ込んで考えてみました。まあ、何だかんだいっても、言い合いになると男というものは理屈負けしてしまうもんです。
考えた末、「でもね、そんなにたくさんの窓が開いていたら、こっちの窓から一度出た埃があっちの窓から戻って来やしないかな。何より、もともと外にあった埃がたくさん入って来るじゃないか」と、持ち合わせの理屈を総動員し、事実の検証がないままにブツブツ言ったんですがね、間髪入れずに女房が言ったもんです。
「あなたは相変わらずバカね」ここまではいいんです。私も、自分で馬鹿なことを言ったかなと思っていましたから。
ところが、次に、「この前の夫婦げんかのとき、あなた、出て行ったきり三日も帰ってこなかったじゃない。あの時も、私は毎日窓を開けて掃除をしていたのよ。その間に、他所の亭主がうちに入ってきたとでも思っているの」と言われ、「あたしゃ、埃と同じかい」と思ったんですけど、そうじゃないとも言えないし、私はあの時、窓から出て行ったかなと考えているうちに、女房は、もう隣の部屋の掃除に向かっていたという訳です。
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近年、気候も荒くなってきたような気がするのですが、人間もそうなのかなと思ってしまいます。「イスラム国」の問題は当然ですが、若い女性が「人を殺してみたかった」と殺人を実行してしまうのです。
私見ですが、「イスラム国」の問題の根っこは「貧困」と「格差」の蔓延化とその恒常化による「不平・不満」の蓄積と爆発にあるのではないでしょうか。ある予測によると、全人口の1%の人たちが富の50%を持つという時代が来るそうです。そんな社会では「不平・不満」が爆発するのも無理はないでしょう。
また、この問題には「イスラエルの建国」が大きく関わっているのではないでしょうか。第二次世界大戦の後、ユダヤ人がパレスチナの地に「イスラエル」を建国したことにより、何度かの中東戦争を経て現在に至っているわけですが、もともとパレスチナの地で生活していた人たちが追い出された形になり、ここでも「不平・不満」が蓄積され続けています。そして、戦争に勝ち続けた「イスラエル」は領土の拡大をし、新しい土地にどんどん入植しているそうです。「イスラエル」に取られた土地を取り戻そうと戦う人たちもいます。憎悪が憎悪を呼んでいます。
もちろん、このような大きく複雑な問題の解答を私が持ち合わせているわけではありません。ただ、夫婦喧嘩でもそうですが、お互いが少しずつ譲り合う以外に仲良くなる方法はないのではないでしょうか。自分の間違いに気づく「謙虚さ」と多少理不尽かなと思える相手の論理を受け入れる「寛容さ」が必要です。自分だけが正しいと主張し合っているうちは喧嘩し続けなければなりません。
「人を殺してみたかった」という問題については、より教育の関わる分野ですが、これについても、私は解答を持ち合わせておりません。
私が解答を出せるのは夫婦喧嘩の問題程度です。それも、50%以上を妻の力に頼りながらなんですが……
平成27年2月 教育長
小 谷 木 透
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中標津町 電話番号:0153-73-3111FAX:0153-73-5333
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