文化庁での会議は2時からだったので、都内でダラダラしていても芸が無い。
ということで、文化的景観保存・活用事業で同じモデル地区のひとつである栃木県の宇都宮市に急遽お邪魔することにした。
聞くと新幹線で50分の距離だという。午前中に見学しても帰って来れそうだ、と踏んで宇都宮市の担当者へ「見に行きたいのですが・・・」と連絡を入れる。すると年度末の多忙な時期&急なお願いにも関わらず、担当者は快くOKしてくれた。本当にありがたい。
ということで、30日は朝5時半に起き、コンビニで買ったパンと野菜ジュースを胃袋に流し込み(ホテルの朝食はぶっ飛ばした)、東北・山形新幹線に乗車(自腹である)。やれやれ・・・と一息ついたところで片道の切符しか買っていないことに気づいた。ありゃりゃ失敗。行くことしか考えていなかったなぁ。
しかし新幹線が停まるっていうのは便利だ。自分では新幹線って何となく特別なのもののような感覚があるけど、地元ではどうなんだろう?、至って普通の乗り物なのだろうか。
9時少し前に宇都宮駅に着く。生まれてはじめてくるところなので土地勘は全くない。市役所まで歩いていくのだが、駅で見かけた地図を頭に入れてとりあえず出発。
20分程歩き、見た目が高層マンションのような市役所に無事到着。
早速担当者と関係者にご挨拶。そして現地へ車で案内していただく。
で、ここは大谷石という日本最古の凝灰岩が取れるところである。その関係で「文化的景観の保存・活用事業」のモデル地区に入ることになったのだが、とにかく北海道にはない景観であった。
写真をご覧あれ。
とにかく「へぇ〜」と「スッゴイなぁ」の連発であった。
特に大谷資料館の採掘場跡(戦時中は軍の秘密工場としても使われていた)は地下宮殿のようで圧巻であった。2万平方メートルあるとのこと。でかすぎてイメージが湧かん。
外からきた人間はただ「すご〜い!」と言っていればいいのだが、実情を聞くと課題が山積していているという。まぁ中標津だって同様なのだけれど。
次に大谷寺に行く。
ココには日本最古である平安時代の磨崖仏がある他、縄文時代草創期の人骨も出ているのだ。
歴史の厚みを堪能する。
そして担当者がたまたま用事のあった民家へ寄る。
ここは江戸時代からの建物なのだが、とにかく見事。良くぞ残した、これぞ文化財といった感じである。
ここで、ちょうどいい時間になったので、駅まで送っていただく。
最後まで面倒を見ていただいて本当にお世話になってしまった。
昼時だったので駅弁を購入し車内で食事。こんなことするの何年ぶりだろうか。
約50分を経て東京駅へ到着。すぐ文化庁へ向かう。
今、文化庁は建替え中のため三菱ビルに入っているのだが、東京駅から徒歩5分と近いのだ。
ビル内のスターバックスで一休みして会議へ出席したのであった。
午前中をビッシリ使い大変ではあったが、やはり見てみないとわからないもんだなぁとつくづく思った。
中標津町の格子状防風林は「文化的景観の保存・活用事業」においては一番北のモデル地区で、なおかつ一番スケールがでかいのだ。
是非他のモデル地区の方々にも見ていただきたいが、いかんせん遠すぎてなかなか来れないのが玉にキズであるなぁ。