【履歴】
昭和02年06月09日
道庁の告示。国費にて建設
昭和03年11月
北海道農事試験場根室支場の付属建物として建設
昭和20年07月
根室の爆撃によって疎開した、北海道農業会根室支部の事務所となる
昭和21年05月
再び陳列館として使用。その後講堂や物品倉庫として使用
昭和56年06月23日
庁舎増築工事に伴う陳列館の解体計画があったため、町内の建設業協会及び建築技術研究会が町に善処要請
昭和56年06月25日
町が道に対し、物件の無償譲渡を要請
昭和56年08月13日
譲渡契約締結
昭和57年
移動復元工事
昭和58年07月
緑ケ丘分館として開館
平成21年8月7日
国の登録有形文化財(建造物)として登録
【概要】
○前名称
旧北海道立農業試験場根室支場『陳列館』
○前所在地
中標津町桜ケ丘1丁目1番地
●現名称
『中標津町郷土館緑ケ丘分館』
●現所在地
中標津町丸山4丁目3番地(中標津町緑ケ丘森林公園内)
・面積=109.09平方メートル
・構造=木造亜鉛メッキ鋼板葺平家建
屋根:寄棟様式小屋組隅合掌造り
玄関:切妻造り
外壁:小舞下地漆喰ぬり仕上げ
内壁:竪羽目腰板張及び漆喰ぬり仕上げ
天井:竿天井
床 :縁甲板張り
窓 :上げ下げ窓
※木造建築物としては町内最古の部類に入る。
背 景
・第2期拓農計画(昭和2年〜21年)によって昭和2年に建設された北海道農事試験場根室支場の付属建物として、翌3年に建設されたもの。
・農試本館は根室管内初の鉄筋コンクリート二階建て。これら一連の建物は移住者を安定させるための政策的意図があったといわれている。
・開拓者の指導誘掖(ゆうえき)に貢献した由緒ある建物である。
・陳列館時代の展示内容は、土壌断面標本を始め、作物、肥料、病害虫標本各種図表等を陳列していた。
・建設にあたった者は、中標津町在住の棟梁佐藤与三郎をはじめ、地元の建築業者。
・試験場本庁舎の増築工事に伴い解体が計画されたが、建築工法に特徴があり、根釧原野の開拓事業を象徴する建造物であることから、現在地へ移築復元の上、展示施設として開館した。