みどりの番人である小鳥への餌やりをはじめて20年ほどになります。
「野鳥に餌や巣箱を与えることは自然の習性に反する」という意見もありますが、一方では彼らの住まいを破壊した人間からのせめてもの償いを、と積極的に世話をしている愛鳥家もいます。
春から夏にかけて子育てを終えた多くの野鳥は、秋には仲間と連れ立ってそれぞれの生活場所を求め、南の暖地に移動します。これを「渡り」といいますが、地元に残る「留鳥」と呼ばれるものもいます。なかでも異なる種で集団をつくる(混群といいます)ものにキツツキ類とカラ類がいます。初冬の頃、シジュウカラを先頭に、アカゲラなどの混群が庭木や街路樹に姿を見せます。彼らの好物は昆虫とかクモ類ですので、この食性を利用し脂身やヒマワリの種子を与えています。気をつけたいこと、それは可愛さが高じての過剰サービスです。自然界のバランスを崩す恐れもありますので、給餌は厳寒期のみに限っていただきたいものです。
(中標津町文化財保護審議委員 佐藤武夫)
写真提供:大河原彰氏