Nakashibetsu Municipal folk Museum

中標津町在住の西村穣さんの植物コラム。

道端の野菜

ギョウジャニンニク

ギョウジャニンニクギョウジャニンニクというよりはアイヌネギといったほうが親しみがある。

雪どけのあと、長靴軍手、ナイフにビニール袋といういで立ちで、湿地から斜面になるような場所にスズランに似た葉っぱを探す。なければないで、3日後、5日後にウキウキしながら再び、訪れる。

もしも前日に先着者がいたりすると楽みは半減で、あてのない呪いをつぶやたりする。それでも、自分の家の焼肉に1回分と、遠くのファンに1回分の合計2回分があれば十分なので、多くの場合は不満ということはない。

採るときはナイフで優しく切る。公共の場所であり肥料もなく、毎年採りつづると細くなってしまうので、非公共の、もちろん自分のみの分としての場所があると望ましい。

ユリ科の植物なので同種のスズランと間違えて採取することがあるようだが、匂いを嗅ぐと一目瞭然いや一嗅瞭然である。

ビタミンが豊富なので、春先の野菜不足を補うためにも昔から食べられていただろう。最近はもっぱら焼肉と一緒に食することが多いが、醤油などに漬けて旬の味として提供している粋な居酒屋もあるし、餃子の具として調理している食堂では人気の看板メニューになっている。

子供のころは季節になると卵とじなどにし弁当のおかずに持ってくる(いや、持たされるのだが)友達も多くいた。ただし、大蒜という名が付いているとおり食べ過ぎると食後も強い臭いが残り、話していても誰が食べたのかという話題に必ずなる。継続して食べていると、からだに臭いがしみついているようにも思えるほどである。

現在も食べるときは休日前にと心がけている。若しくは関係者全員が食することをお勧めする。

最近は作物として栽培もされ健康食品としても売られているが、生育はあまり早くないので大量に出回ることはないようである。画期的な栽培法の発見によって大量に出回って町中の人がみんなで食べるようになっても少し困る。


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