Nakashibetsu Municipal folk Museum

中標津町在住の西村穣さんの植物コラム。

道端の野菜

コゴミ(クサソテツ)

クサソテツ5月から6月にかけて余り乾燥していない適当に木漏れ日のある林の中で、集団で渦巻状に丸まったアレです。若しくは、思う存分開いていかにも「ワタシはシダです」といっている様な姿を目撃するアレです。小さい姿が屈むようにみえるところからコゴミとなったと。納得の名前です。

ワラビのように薮の中に目を凝らして一本ずつ見つける必要もなく、あまり雑草の生い茂っていない場所にあり、間違う植物もなく、更に一掴み10本もいけてしまうという採りやすさはオススメの山菜であります。
また、成長が非常に早いのでこまめに下見を行なった方が良いという方がいらっしゃいましたが、ワタクシとしては山菜に命をかけているわけでもなし、せいぜい釣りの帰りにたまたま発見して採るといったどちらかというとこまめに下見をするほどのものでもないと思うのです。

とはいえ採るときは良いものを選びます。15cmぐらい伸びた葉が広がる前のものを採取し、葉っぱをむしりクルクルの所を軽くしごき、さっとゆがいてお浸しやゴマ和えなどの和え物、天ぷらもなかなかイケます。独特の「ぬめり」があり、アクが少ないため調理しやすく、山菜の定番ともなっています。個人的にはゴマ和えファンでございます。

少量であれば生でも食せるという。大量に食べるとお腹が緩くなるので注意とあるが、生では食べたことがなく、どんぶりでガバガバ食べるものでもありませんし、やはり一度か二度食べるとあとはまた来年でというあたりでしょうか。

とまあ、ここまで書いて気がついたのですが、なぜか単品料理が多いのですねコゴミは。おでんに使うとか、チャーハンの具にするとかはないのですね。何かコゴミタンピンルールのようなものがあって、衣をつけたり醤油かけたりするのは良いけれど、一緒に煮たりするのはいけないのでしょうか。

普通、野菜系は単品でよし混ぜてよしというのが野菜らしい姿であると思っていましたが、コゴミは清く一人で生きていく孤高の山菜なのでしょうか。
逆にゴーヤはその味から一人では生きていけない、なるべく多くの野菜に囲まれて存在感を薄めながら食べられ馬群に消えるタイプであると思ったりもするのです。


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