Nakashibetsu Municipal folk Museum

中標津町在住の西村穣さんの植物コラム。

道端の野菜

ミツバ

エゾライチョウいつの間にか、知らずしらずのうちに、植えたわけでも蒔いたわけでもないのに、庭の日陰に繁茂しているあなたたちはいったいどこから来たのでしょうか。
鳥が運んだ一粒が実を結びこぼれ種から増殖したのでしょうか。おかげで茶碗蒸しの彩からおつゆやオヒタシまで頻繁に利用するようになりました。すっかり定番の自家生野菜です。

ミツバという名は見てのとおり3枚の葉からで、原産地は東南アジアや北米とか、古くから野菜として栽培利用されている。種類は3種類で根ミツバ、切りミツバ、糸ミツバとあり、通常食べているのは切りミツバらしいが何がどう違うかは余り詳しく説明がないけど、まぁ大きな問題ではありませんね。

食べ方は、吸い物に散らしたり刻んで納豆に混ぜたりして風味を増すのに一役演じていただいております。なかなか良い感じで存在感あります。宴席で飲み終わった後のお茶漬けにさりげなく乗っている粋な姿は、いつかもう一度会いたい、と何か恋心を抱かせるようにも思えます。

しかし、主たるおかずではなく従たる感じですね、やはり。どんぶりに山盛り出されても、はじめのうちは、歯がきゅっとする感触が新鮮ですが、やがて苦味が増して飽きられてしまいます。
ラップをかけて弁当のおかずに使われる出番を待ちますが、子供にはこの苦味が不評で、「お父さんのお弁当に沢山入れといたよ」とあえて解説つきで増量されることもありました。
いつまでミツバのオヒタシあるの、どうせその辺に生えてたものだろ、余るなら捨ててしまえばいいじゃないか。と、思うのですが、なかなかこれができそうでできません。一度手を加えた食べ物は、食べ尽くすか若しくは腐って食べられなくなるまであります。冷蔵庫食品の運命ですね。だれにでも身に覚えあるでしょ。

なんとなく生えて旬の楽しみとして役に立っていますが、夏も過ぎると雑草になって徒長して食べられなくなり忘れ去られます。たまには草刈するのですが、翌年も必ず生えてくるなかなかしぶといヤツらです。あればあったで増えすぎにムッとしますが、なけりゃ無いであの感触が懐かしくなって食べたくなる不思議な野菜です。


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