Nakashibetsu Municipal folk Museum

中標津町在住の西村穣さんの植物コラム。

道端の野菜

クルミ

オニグルミ秋になると家の裏にあるクルミの木から実が沢山落ちる。バケツにためておき表皮が取れたところで水洗いし乾燥させ、それを薪ストーブの中にあるオキにいれて焼き、ちょっと裂けた殻を包丁で割り香ばしい中の実を取り出す。
子供の手でも小さな実であり最後は爪楊枝でほじくらないといけない。ぱらぱらになった実はあぶらがあり、冬場のちょっとしたおやつだった。
小粒を餌台に乗せておくとエゾリスが器用に殻を削り中身を食べていた。

オニグルミの実ここでいうクルミは、ここいらにごく普通にあるオニグルミで、近い種類であるサワグルミは道南方面に分布している。スーパーなどで売っている殻の大きいのはカシグルミで北海道には存在しない。日本では東北や長野県などで栽培されているが、中国、アメリカからの輸入も多い。
カシグルミは殻が薄く二個を両手で挟むと簡単に割れるが、オニグルミはその名のとおり殻は非常に硬い。手のひらでくるくる回すのが老人の指の運動に良いと利用されている。
クルミ自体の栄養価は非常に高く、ビタミンなどを豊富に含んでいる。毎日少量食べるのが健康の元だとか。世界的にも歴史は古く、紀元前7000年ころから記録があり、日本でも縄文時代から食用にしていたというからクルミの歴史は奥が深い。

単体で食べるだけではなく、料理やお菓子などにも利用される重宝な食べ物である。
クルミは本来熱を通して食べるものなのだろうか。殻つきクルミはどう見ても生のようだ。あのころ焼いて食べたのはなぜなのだろう。
その他のナッツはどうか、ピーナッツは間違いなく生ではない。アーモンドも生はうまくないと聞いたことがあるのでローストしてあるはずだ。ピスタチオは?カシューナッツは?マカデミアナッツは?と、妙な疑問は広がるばかりである。

また、1960年ころ「チロリン村とクルミの木」という人形劇があった。バナーナ婦人とイタチのプー助というキャラクターを覚えている。貧乏な野菜系と裕福な果物系の物語だったようだが、なぜクルミの木だったかは不明。町の中にクルミの木があったのだろうか、そこまでの記憶はない。
40年ほど前、当町の繁華街に通称チロリン村という飲み屋街があったが、歴史といわれについて学芸員は調査すべきではないか。など、なぜかクルミからあれこれ発展する。


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